最高のレーシングライダー (2001/12/8)

自分はSUZUKIが比較的好きですね。
正確に言うとメーカーが好きなのではなく、SUZUKIには心魅かれるものが多いということです。
初めてのったビックバイクは初期型GSX-R1100で、これは本当に刺激的で個性的でクセのあるバイクでした。
強烈なインパクトがあって、今でももう一度所有したいバイクです。

その後に所有したXJR1200は非常に良いバイクで、工業製品としての完成度はGSX-Rの何倍も優れていましたが、
もう一度所有したいと言うほどのインパクトが残らないんですね。
やはり出来すぎたものよりも、ひとクセふたクセあるもののほうが愛着を感じるんでしょうね。

SUZUKIのバイクに大きな影響を受けただけでなく
自分が大好きな、レーシングライダーのケビンシュワンツは偶然にもSUZUKIのライダーだった、ということもあります。

それまでバイクは好きでもレースには全く興味が無かったんですが、
あるとき深夜のテレビでレースが放映されていて、なんとなく見ていると、一人だけちょっと違う人がいたんです。
この人すごい!っていう人が。

予選でポールポジションを取って、最前列からスタートするも、スタートミスで最後尾まで落ち込む、
そこから驚異的な追い上げで先頭集団まで追いつき、ついにトップに踊り出たと思ったら次の瞬間にはドハデに転倒する。
「優勝かリタイヤか」といわれた極端さ。戦略など立てずにひたすらブチ抜くのみのシンプルで荒削りな走り。

彼よりも素晴らしい記録を打ち立てたライダーは他にも何人もいます。
何年も連続してワールドチャンピオンになったエディーローソン、ウェインレイニー、マイケルドゥーハン...。
しかし彼らは非常に安定感があり、独走で優勝することが多かったのです。つまり、安心して観れるレースが多かったわけです。
最後まで接近戦でハラハラしっぱなしのケビンシュワンツとは明らかに違っていました。
「シュワンツが勝つレースは面白い」とはよく言われていました。

レースに全く興味が無かった自分を超がつくほどのレース好きにさせたのはケビンシュワンツに他ならないんです。

レースは観客がいて初めて成り立つショービジネス。
ですから最高のレーシングライダーは、素晴らしい記録を残した人ではなく、一番観客を喜ばせた人と言えるでしょう。
そういう意味でケビンシュワンツは最高のレーシングライダーだと思っています。

p.s. 日本にも「東海の暴れん坊」と呼ばれた水谷 勝というレーシングライダーがいました。
ケビンと水谷に共通するのは、見るものをハラハラさせる荒削りな走りと、
YAMAHAに乗る非常にクールなNo1(レイニーや平 忠彦)に挑むNo2であったこと、
(No2のほうが面白いじゃん、っていう電話会社のCMがありましたよね...)
そして 他メーカーに移籍することなくレースキャリアの全てをSUZUKIにささげたことです。
SUZUKIは商品だけでなくライダーまでもがクセのある個性派ぞろいなわけですね。