われらYAMAHA乗り (2002/3/29)

ヤマハに対して軟派なイメージを持っている人は多いように思う。
そういう自分も昔はそうで、ヤマハに対してはなはだ失礼だったなぁと思うのだが、
今はヤマハに対して軟派なイメージは全く無い。それどころかむしろ硬派なメーカーだと思っている。

まずレースイメージが非常に強い。
ケニーロバーツ、エディーローソン、ウェインレイニー、などとともにGPの黄金時代に最強軍団だったし、
トヨタにエンジン技術を提供しているし、今年はF-1で「トヨタエンジン」 「ホンダエンジン」と騒いでいるが、
ヤマハエンジンはとっくの昔にF-1にチャレンジしていたし...。

そして市販車においても他社の真似をしない。
300km/hバイクの市場には最後まで参入しなかった。エンジンパワーよりもハンドリング最優先で造っている。
前傾5バルブエンジンという最も個性的なレイアウトを持っている。デルタボックスフレームは他3社と違って唯一プレス成型である。
ラムエアをいまだにほとんど採用しない。などなど、あげたらキリがない。
(でもドラッグスターやTRXなど海外メーカーの真似はちょっとする)

ずっと基本を変えないまま現在でも続いていて、他社には侵せない聖域を築いている名車というものが一番多い。
ホンダ=スーパーカブ スズキ=無し(排ガス規制が無ければカタナは続いていた) カワサキ=GPZ900R
対してヤマハ=SR、セロー、TW、V-MAX こんなにある。
これらは全て他社が後追い商品を出したものの、地位が揺らぐことの無かった名車達だ。
ヤマハが真似事ではない独自の思想でバイク造りをしてきた生ける証拠。

デザイン的にもヤマハは最もイタリアのセンスに近いものを持ってると思う。
デザイナーが仕事をしている様がイメージできる。
ヤマハに比べると他社はあまりデザインにお金をかけていないな、本当にデザイン部門ってあるのかなと思ってしまう。
売れなかったバイク、あまり知られていない車種も、良く見てみると非常に凝った造形がされていて美しいものが多い。
ヤマハが先鞭をつけて他社にも真似をされ、デザイン的なトレンドを築いた例は枚挙にいとまが無い。

ヤマハデザインの素晴らしいところは全体だけでなく、個々のパーツもそれぞれに良く考えてデザインされていることだ。
一つ一つのパーツに命が与えられている。
だからヤマハのバイクは 「バイク」としてみてもカッコイイが、「部品」としてみてもカッコイイのだ。

ヤマハを軟派なイメージでとらえてる人は 楽器メーカーのイメージからという理由がほぼ全てだろう。

SRにはクラシカルだからという理由で、以前からヤマハ楽器のマークである「音叉マーク」がつけられていた。
しかし、99年に登場した最先端のレーシングマシンであるYZF-R7のタンクにも音叉マークがつけられた。
そして今年登場のブランニューYZF-R1にも音叉が。
今まで楽器イメージの象徴だった音叉マークがこういう使われ方をすると高級感あるエンブレムに見えてしまう。

「ヤマハ=楽器」というイメージがあることを踏まえた上で、あのマークを積極的にバイクに取り入れることによって
逆に 「音叉=ヤマハ=楽器」 ではなく 「音叉=ヤマハ=モータースポーツ」 というイメージを築こうとしたのだとしたら、
あまりに頭が良すぎてしたたかさまで感じてしまうのだが、考えすぎだろうか?

補足
私のバイク歴の中で、最も長く付き合っているのは、
現在でも所有している名車、愛すべき万能バイク、「SEROW225」なのです。