微妙な違い (2003/1/15)

なんとなく変わったような気がする、いつもとは何かが違うような気がする、
どこがどうって、言葉ではうまく言い表すことは出来ないけど、なんとなく違う...。

「思いこみ」 が嫌いな自分は、なんでも 理由だとか、つじつまだとか、必然性だとか、要するに納得できる説明を求めがちだ。
おそらく、分かりやすいはっきりした説明があったほうが 精神的に楽だからだと思う。

でも、「なんとなく...」っていう感覚的なものって、結構信じていいものなんだろうと思う。
小さな違いに気付ける鋭い感覚を、多分誰もが持ってる。
動物的な勘、肌で感じる空気、視線という名の目に見えない光線、理由の無い不快感...
少し髪を切っただけで頭の上が軽いと感じたり、1cm高い靴をはいただけで見え方が変わったり...

少し離れたところから聞こえる音楽と、スピーカーをそばに置いた時の音楽では 聴こえ方の落ちつきが違う。
さえぎる雑音も無く、耳に到達した時の音量が同じであってもだ。
音なんて単なる空気の振動なのに、ちゃんと ←向き→ がある。
小さいラジカセなんかだと顕著なんだけど、ちょっと向きを変えるとすごく落ちつかない。

芸術家肌の人って、元々感覚的なものは普通の人と同じモノを持っていたんだろうけど、
「なんとなく」を「なんとなく」で終わらせなかった人なんじゃないかって思う。
自分の感覚を いつも気にして、信じて、覚えておくようにしてきた人なんじゃないかって思う。

自分はすごく鈍感な人間なんだけど、それは多分、思いこみを嫌う この性格ゆえだと思う。