英雄 HERO (2003/9/7)

映画 「英雄 HERO」を観てきた。
良かった。すごーく良かった。
多分、好みは分かれると思う。つまらないと思う人も多くいると思うし、子供から大人までっていう大衆性も無い。
でもすごーく良かった。
マトリックス2よりも ターミネーター3よりも 踊る大走査線2よりも…

顔をクシャクシャにして泣いた。
でも泣けたから いい映画だったという訳でもない。

自分の中では映画って 特別なもの っていう印象があるんだよね。
だから見終わった後に特別な気分になりたい。
でもここ数年、見る前のワクワク感に匹敵する、見終わった後の充実感を、感じることがほとんどなかった。
歳をとったせいなのか…?

自分が小学生の頃、家族で観に行った、「未知との遭遇」、「スターウォーズ」は、
スケールの大きなストーリーと迫力のある映像で自分を異次元の世界に引き込んでくれるものだった。
おそらくその頃に自分の「映画」に対するイメージは形成されたのだと思う。
テレビやビデオではない、お金を払って非日常の世界に引き込まれに行く…映画ってそういうもんだ。

今回の 「HERO」 では、久しぶりに満ち足りた気持ちで映画館の外に出てこれた。
そういう気持ちになれた大きな理由の一つに、非常に美しい映像表現があると思う。
非現実的で、幻想的で、不思議な感覚に包まれる映像。
(通常、映画ってストーリーが主体で、映像は表現手段だと思うのだが、映画は目に飛び込んでくるものであって、本を読み聞かせる様なものではない以上、
映像が主体で ストーリーは映像のための手段、っていうのも全然アリだよな…なんてことも考えた)

映像も、ストーリーも、そして感情表現も…極めてシンプルで、美しく、ストレートだった。
であるがゆえに非常に心を打たれた。

こうやって書いていても うまく表現できないんだけど、要するに久しぶりに 「映画」 を観たっていう実感が得られたっていうこと。
自分の中では、ここ数年のベストだった。