悪あがき (2004/1/14)

小さい頃、若い頃って、大人の世界に憧れたり、早く大人になりたいとかって考えるものだと思うんだけど、
何故か自分には背伸びをしようって感覚はなかった。
大人のことは大人になったら出来る。
それよりも今をいとおしく感じることの方が多かった。

小学生の頃、誰もがランドセルからスタートするが、そのうち「ランドセルなんて子供っぽくていやだ」って、違うかばんを持つ人が増えてくる。
自分も3~4年生の時に手さげかばんやショルダーバックに換えた。
でも ある時「ランドセルは小学生のうちしか使えないんだ」 と思ってランドセルに戻った。そして卒業まで使い続けた。

小学生の頃、親に日記をつけるように言われてた、仕方なく思い出した時にだけつけてた。
高校2年の頃、今の高校生っていう立場がすごく大事な時期で、一日一日が過ぎていくことがもったいないって痛烈に感じて、
それからは自主的に日記を毎日つけるようになった。大学卒業くらいまで多分1日も欠かしていなかったと思う。

高校生の頃は学ランが大好きで、自分が制服を着ていて、友達も女の子達もみんな制服を着ててっていう環境が大好きだった。
高校卒業したら学ランが着れなくなると思うとすごく寂しかった。
大学受験も終わって、後は卒業までの日数を消化するだけという時期に入ったら、学校を休む人が急増した。
でも自分には全く理解できなかった。なんてもったいないことをするんだろうって。
制服着て門をくぐるのも、休み時間に廊下での騒ぐのも、「起立、礼」も、もう二度とできなくなるのに。

自分が酒もタバコもギャンブルもしないのは、
若い頃に背伸びして 大人の世界に手を出そうっていう興味が無くて、大人になってもそのまま来てしまったからかもしれない。

後でも出来ることは後でいい。今しか出来ないことに神経を注ぐ。
でも、そうやって生きてきたつもりだったにもかかわらず、若い頃にやらなかった多くの後悔を残している。

背伸びをして大人の世界に手を出そうっていう気持ちが、実は若い頃にしかできないことをするための原動力になるのかもしれないって思った。
若い頃にしか出来ない一番の事は、大人じゃないのに大人になろうとする悪あがき。
自分が後悔として残した「やらなかったこと、やれなかったこと」の多くは、実は「悪あがき」だったのかもしれない...。