私が総理大臣になったら (2007/3/16)

前にも話したことがあるけど、「私が総理大臣になったら」の太田光に自分はいつも感動している。
「憲法9条」に関する彼の発言には痛く感動した。大筋はこんな感じ。

「大昔は人間は今よりもっと野蛮だったんだけど、時とともに殺人に対する考えも変わってきた。
家族を殺すのはやめよう、隣の奴を殺すのはやめよう、違う村の人間を殺すのはやめよう、って殺しちゃいけない範囲が外に広がっていったんだよ。
それが、ついに憲法9条で「外国の人を殺すのはやめよう」っていうところまで来たんだよ。 ようやく、ようやく、ここまで来たんだよ。

お金を出すだけで血を流さないからアメリカに対して発言力が無いんだっていうのはアメリカが決めた価値観なんじゃないの?

アメリカは軍隊を持って、国民はみんなピストル持って身を守ってるよ。 それは戦争で負けたことが無いからだよ。
ベトナム戦争で負けたっていっても国は負けてないんだよ。 傷ついたのは戦地に行った若者達だけで、国は傷ついてないんだよ。
日本は戦争で傷ついたから、だから武器を持たないって決意をしたんだよ。

戦国時代は「人を殺したらダメだ」なんて言ったらバカかって言われたはず。 でも今はそうじゃないでしょ。 時代とともに変わるんだよ。
憲法9条は世界的に見たら馬鹿げてるかもしれない。 でもそれが馬鹿げてないと思える時代が来るんじゃないかと思ってるんだよ。
あれは究極の理想だよ。 今の時代では現実には無理なんだよ。
そんな無理で馬鹿げてる絵空事のような理想をなんとか守ってきたんだよ。 憲法解釈を変えたりしながら、なんとかやり過ごしてきたって言うのが現実だよ。
そうやって憲法を変えないでなんとかやっていくうちに、
100年後でも200年後でもこの理想が世界の常識になって欲しいって、そういう時代が来て欲しいって思ってるんだよ。
でも憲法改正しちゃったら、せっかくここまで来たのが台無しになっちゃうよ。 究極の理想が実現する時代は絶対来ないよ。」

と、こんな感じの内容。

自分はこの発言に感動して、彼の憲法改正反対に関する本を読んでみようと思った。
そして憲法改正を積極的に進める阿倍首相の本も同時に読んだ。
でも本の場合、話は一方的に進むから、どちらも正しい事を言ってるような気がして、この2冊を読んでも正直あまり分からなかった。

討論番組の場合は1つのテーマについて、意見対意見がぶつかり合うから、じゃあ自分はどっちの意見に賛成なのか、答えを出しやすい。
で、この番組を見てると、太田光の言ってる事は毎回つくづく正しいなぁって思うんだよね。

時々突拍子もないマニフェストが出てくるけど、それも話を聞いていくと、ものすごい説得力で心に迫ってくる。

みんなに見てほしい、本当にいい番組です。