旅って (2008/2/14)

久しぶりに旅に出た。

数日経過して、ふと考えた。
自分が旅に出る理由って何だ?… 自分にとって旅って何だ?… そもそも自分は今本当に旅をしているのか?…

「旅と旅行は違う」 ずーっとそう言ってきた。でも今やってるのは旅じゃなくて単なる旅行なんじゃないの?

久しぶりだったから、どうやら旅の仕方を忘れてしまったようだ。
自分にとっての旅って…何だったっけ…?

自然からパワーをもらう事、 自然から洞察を得ること、 自然の偉大さと美しさと人間の小ささと醜さを知る事…
そう、そういうことだった。

思い出して良かった。

暗闇の中で空を見上げてみた。首が痛くなるまで。吸い込まれる感覚。自然に溶ける感覚。
この感覚を得るために自分は旅に出るんだった。
そう、そういうことだった。



水のある風景が好きなんだよね。 湖、渓流、海…。 例えば滝。 滝を見てるとね、面白いよ。
当たり前なんだけど滝によってそれぞれ音は全然違うんだよね。
良く聞くと高周波音から重低音まで色んな音が入ってる。
そして良ーく見てると、どの音がどこから聞こえてくるかが分かってくる。
そのうち滝全体ではなく、ディテールが見えてくる。
何故こういう流れ方になって、何故こういう音になるかが分かってくる。
そして水の粒一つ一つの動きが見えてくる。

でもね、その場に沢山の人がいると、そういう見え方はしてこない。
滝の全体像しか見えてこない。

どんなに素晴らしい風景でも沢山の人がそこにいると、自分の中に入ってこない。

おそらく自然が発するパワーは常に一定で、沢山人がいるとその分、分散してしまうんだろうね。
だから人が沢山いる有名な観光地には行く気がしない。 何も得られないから。

旅には孤独が必要。 その理由はつまりそういうことだったわけです。