Daytona 日記

1号車 T595

一番最初に手に入れたDAYTONAは30万で手に入れた事故車だった。
ネイキッドにして乗ろうと考えたのだ。
フロントカウルは全て撤去し、割れたテールカウルをハンダゴテで溶着し、
車庫で何日もかけて缶スプレー塗装した。
ライトはマルチリフレクターでブルーレンズを選ぶ。
汎用ライトステーに穴を開けてエアロウインカーを装着。
このスッキリしたウインカー処理は我ながら最高だと思った。
メーターはハンドルマウントするためにメーターマウントの図面を起こし、
ステンレスパネルでワンオフで製作してもらった。
このフロント周りはかなり気に入っていて、
前傾のキツいネイキッドというスパルタンなイメージと合わせて個性を放っていた。

結局この車両は完成してから知人に売却してしまった。

2号車 T595

次に手に入れたのは中古のT595。
ずいぶんとタペット音のようなメカノイズが多かった。
いくつかのショップに尋ねてみたが、元々メカノイズの多いエンジンだからとの返答。
仕方なくタペット調整をしようと思い、
そのための部品を揃え、さぁ作業開始というところでエンジンに問題を抱えている事が発覚。
手放す事を決め、次なるデイトナを探した。

3号車 955i 納車


(03/03/20)
正規代理店にて購入した99年型955iの登録済新車。4年落ちの新車ということになる。
このとき既にデイトナはモデルチェンジしていたが、
日本車を意識した今時の顔つき、両持ちスイングアームになった事、
何の主張もなくなったテールカウル周りなど、個性が薄れてしまったため、迷う事は無かった。

ショップからはハイエースで自ら運ぶ。

一時的にではあるが、自分は同時に2台のデイトナを所有していた事になる。
下に示すように、T595の方がパーツにコストがかかっている部分がいくつかあったため、
T595を手放す前にいくつかの部品を955iに移植した。

T595から955iへ
マイチェンに伴う変更点


マイナーチェンジにて公表されている変更点は、
F.Iのマネージメント変更、サスセッティングの変更、バッテリーのMF化、エアクリーナー形状の変更など。
これらは名前を変えるほどのものではない。

そしてさほどコストのかかっている変更内容とは思えないが、定価が大きく変わった。
158万から178万へ、なんと20万もアップ。これは輸入元の説明によると、
内容の変更によるものではなく、為替変動によるもので、
もともとT595は現地の価格に比較すると日本の価格設定は安すぎたのだそうだ。
確かに日本車と違って凝った造りだったりするが、この説明にはいまひとつ納得しかねる。
更に、金額が上がったにもかかわらず、各部にコストダウンの跡が見られる。

まずはエキパイの造り。 スプリングによる結合から一体構造へ。
あきらかにコストダウン。 このエキパイは当然移植した。

F.Iマネージメント変更に伴いRスプロケから検知していた車速センサーが撤去されている。



センターカウルの文字は 「TRIPLE FUEL INJECTION」 から 「955i」へ
テールカウルのデカールは省略されて少々寂しくなったので、
T595デカールとユニオンジャックを貼った。

テールランプの割れ

テールランプは本体ではなく、テールカウルにマウントされている。
つまりテールカウルをはずすたびにカプラーを抜かなくてはいけない。
ちょっと面倒だが、それよりも問題なのは、
テールランプ本体の固定用メネジがあまりにチャチな造りであること。 簡単に割れてしまうのだ。

聞くところによると、DAYTONAを所有するほとんどの人が同じ問題を抱えているようだ。
自分のDAYTONAなどはまだ1kmも走っていない時点で既に割れていた。
プラモデル用のエポキシパテで補修した。

アイドリング不安定

アイドリングしない、アクセルを戻すとすぐエンジンが止まる というトラブルが発生した。
購入直後のことだ。
診断してもらったのだがインジェクションシステムに異常は無い。
一週間預けて燃料吐出量を調整して治ったということだったので取りに行った。
確かにアイドリングしている。しかし走り出した瞬間にどうも不安なフィーリングがあった。
そして案の定、走行を始めてから数kmで止まった。

いろいろ試してみると、
一定巡航や加速時は問題ないが、減速時にクラッチを切るとそのままストンと止まってしまうようだ。
また店に戻って待つこと1時間。
今度は濃い目のセッティングにしたと言う。
今度は走り始めた瞬間に、「あ、大丈夫だ」という確信があった。
そしていろいろ試してみたがやはり問題なかった。

キーシリンダー故障

前回のアイドリング不調が治って帰宅した直後、キーシリンダーがバカになった。
節度無く、ぐるんぐるん回る。
どの位置でもキーは抜けるがライトは消えず、エンジンもかけられる。つまり絶えず 「ON」 状態。
どうしようもなく、とりあえずバッテリーをはずした。

キーセットの金額を調べると¥56.166!驚異的な高さだ。日本車ならせいぜい1~1.5万くらいだろう。
メインキーだけなら半分くらいになるのだが、キーが2本になるのはイヤなのでセットで注文した。
部品は一週間以内で来た。

メインキーはいいとして、タンクの方はタンクキャップまるごとだった。
シート開閉もキー部分のみではなく、リモートワイヤーからシートを固定する金具までまるごと。
なんだか無駄だな。キー部分だけ交換できるように設定してもらえれば、もう少し安くなるだろうに。

コストダウン

それにしてもこのトラはプラスチックパーツがチャチだ。
先述のテールランプもそうだし、ミラーもいかにもコストがかかっていない。
今回交換したキーシリンダーだって日本車のものに比べるとおもちゃっぽいぞ。

以前乗っていた初期型スピードトリプルの場合こんなことはなかった。
むしろエンジンやトップブリッジに結晶塗装が施されていたり、質感の高さはコスト度外視とさえ感じた。
T595だけを取ってみても、97年型は初期ロットだけフレームがバフ仕上げで、後に塗装処理になったり、
99年のマイナーチェンジでコストダウンされた部分がいくつかあるし、
年々コストダウンされているのは明らか。

同じフレームと同じエンジンで全ジャンルを構築する 「モジュラーコンセプト」 から離れた結果、
開発費が膨れ上がり、その分のしわ寄せがきているのだろうか。

エキパイ


スプリング結合のT595エキパイは非常に質感が高く、社外品のようだ。
だからスリップオンを装着しても全く違和感が無い。

エキパイのエンジンとの接合部は非常に凝った形状になっている。 だからガスケットも楕円形状。
こういう見えない部分にコストがかけられていて、見える部分でコストダウンしているのが面白いが、
これもお国柄の違いだろうか。

乾燥重量の謎

初期型スピードトリプルはカタログ上では乾燥重量209kgになっていた。
しかし一般に公表されていないデータ表には216kgと書かれていた。7kgもサバを読んでいたわけだ。
体感的には216kgすら疑いたくなるほどの重さだった。
(同時期にラインナップされていたデイトナ スーパー3にいたっては17kgもサバをよんでいた)

T595になってアルミフレーム採用やエンジンの13kgにも及ぶ軽量化で、公称乾燥重量は198kg。
これはどうやら信憑性は高そうだ。
しかし同じ車体とわずかに小さい排気量を持つT509スピードトリプルは公称196kg。
フルカウルとそれにかかわるステー類を取り去ってわずかに-2kgというのも納得いかない。
某雑誌による実測値によると6kgの差があるから、
スピードトリプルの乾燥重量は192kgくらいではないかと予想する。

まぁカタログ数値がどうあれ、結局は一人一人が体感するものが全てなわけで、
イギリス人は細かいこと気にしない性格なのかもしれない。

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