05年 タイツーリング

仕事を変える事になった。
すぐに新しい仕事が始まるけど、有給の消化でちょっとだけ体が空く。
さてこの貴重な休みをどう使おう。 お決まりのパターンでセローで旅に出ようか。東京モーターショウにぶつけて関西方面から千葉までとか。
でもバイクにはいつでも乗れるし、海外旅行もいいな。
グランドキャニオンが観たい。 奮発して小学生の頃から好きだった南米のマチュピチュとかナスカの地上絵とかイースター島モアイとか。
チームのメンバーに相談したら 「どうせなら海外をバイクで走ったら? レッドバロンでタイを走るツアーがあるよ」 と...
それいい! それにする!
なにせ今回の転職は急に決まったから準備期間は短い。 考えてるヒマなんか無いし。 すぐ申し込んだ。
手配や準備は大急ぎだ。
レッドバロンで準備しているコースは6種類。
英語がしゃべれる現地人が一緒に走って案内してくれる。ホテルも全て手配してくれ、
現地情報や持ち物リストまであるという至れり尽くせりのパッケージとなっている。

最初は 「コース4:チェンマイ~パイ」のショートコースを選んだ。
これは距離こそ短いが、オフロード車を使ってタイトな山道をスライドなんかさせながら延々走り、
近代的なものが何も無い超田舎の村に泊まるというタイムスリップ系マニア向けコース。
でも残念ながら現在、洪水の影響でとても村に入れるような状態ではないらしい。

しょうがないので次にオススメらしい「コース3:バンコク~サンカブリ~カンチャナブリ」を選んだ。
バイクはそこそこのパワーと慣れない道でも扱いきれるであろう400ccを選択。

1日目

早朝の成田行きの飛行機に乗り。バンコク行きに乗り換える。成田からバンコクのフライト時間は約6時間。
空から見下ろすバンコクは、もう既に不思議空間だった。
一般住宅街が見えたときに自分は、「タイの家が観たい!」と思った。 生活の臭いを感じてみたい。
着陸。 滑走路の脇でゴルフをやってる! おいおい、危ねぇだろ!

外気はムッとしている。 沖縄に降り立った時に似ている。
現地の観光会社の人が迎えに来てくれてホテルまで車で1時間。
驚いたのは街中での信号の少なさだ。にぎやかな街とかなりの交通量なのに信号がとても少ない。
信号が一つあったら、次の信号が先に見えることなどあり得ない。繁華街でも数キロ置きだ。 そんな事が可能なんだ...

話には聞いていたが、バイクが多い多い。信号まちではあれよあれよという間に最前列にバイクがたまってくる。
どれも日本では見たことの無い形の150cc前後。
例えて言うなら スーパーカブをベースにスクーターのエッセンスを加え、スポーツバイクの外皮を被せたような感じだ。

じゃんじゃん行きかう不思議なバイク達を眺めるのはヘタなニューモデル展示会よりも楽しいくらいだ。
ホテルを抜け出して夜の街を歩いてみた。 もう一つの驚きは露店の多さだ。歩道の大部分を露店が占拠している。
タイは車優先社会で、歩行者の事はあまり考えられていない。
歩行者の多さに対する歩道の狭さからそれが分かる。 狭いどころか歩道が突然切れてるところもある。
この露店の多さゆえだろうか、街中は色んな臭いがする。
そして物乞いも多い。 しかしそれより驚くのは物乞いに対して小銭を与える人も多い事だ。 仏教国ゆえの人々の優しさだろうか。

コンビニはセブンやらファミリーマートなんかがある。
入ってお菓子を買ってみた。 日本のお菓子も結構多い。 ジュースは日本にはとっくに無い「ミリンダ」が幅を利かせている。
ペプシコーラは炭酸がほとんど入ってない。 安い居酒屋で出されるインチキコーラに良く似ている。
色んな種類のバスが走ってる。現代的な形のものもあれば、こういうぼろっちぃのやら、ハイエースをバスとして使ってたりする。
共通なのは窓は全て全開、ドアも全開、動き出したバスに飛び乗る光景も当たり前。

バイクに屋台を合体させた移動式店舗も多い。 屋台をサイドカーのように横に繋げているタイプが多いが、
少数派としてリヤカーのように後ろに繋げているもの、更にバイクの前半分が屋台になっているものもあった!
その屋台に魚やイカなどを大量にぶら下げて走ってる。 それじゃ前が見えないだろう! タイ人はすごい事を考えるな。

土曜の夜なのだが、日本でよく見る若者がたむろしてるような光景は全然見られない。
誰を見ても遊んでいるという雰囲気は全く感じられず、大きな声で笑ってる人もいない。
チャラチャラしている余裕など無い。 必要があってそこを歩き、必要なものだけを買う。 小さな子供も商売を手伝っている。
人々の飾りッ気の無い素のままの「生」を感じる。
ホテルはちゃんとした綺麗なところだった。
テレビでドラマなんかを観ていた。言葉全然分からないけど。
ドラマの中でも今風の若い人たちが別れ際に顔の前で手を合わせて挨拶するのが面白かった。

2日目

天気は曇り。 さぁ初めて異国の地をバイクで走るぞ!
曇り。猛暑を予想していたが、ちょっと涼しいくらいだ。
今回の旅を全面的にサポートしてくれるのは プックさん。体重110kgの38歳 同い年。 ZRX1200Sに乗る。
英語がペラペラなのかと思ったら、結構片言みたいだ。あ~らら...
日本人とタイ人が双方ともたどたどしい英語で会話しながらバイクで走るという不思議な旅が始まった。

ちなみに こちらでビックバイクは非常に珍しい。
通るたび止まるたび、他のライダーやドライバーが皆 ガン見していく。
バンコクは人口600万人の大都市だ。道路は混んでいる。
いきなりタイ式走行法が始まった。 すり抜けすり抜けの連続。バイクにとって車線など無い。
隙間という隙間の全てを刺す。四輪の列が100km/hで流れていようとも、車と車の間を抜けまくる。

タイ人はとりあえず安全確認ということをしない。車線変更時もウインカーを出さない。
じゃあ何故バイクはそんな無茶な運転が出来るかというと、ドライバーは皆、唐突な動きをしないのだ。
車線変更もゆっくりだから予測がつくのだ。日本で同じ運転をしたら命がいくつあっても足りない。
大きなバイクではすり抜け出来ないところに引っかかって、ふと後ろを見るとこんな有様。
みんな前に行きたそうな感じでキョロキョロしてる。
小型車の機動力を生かして直角に曲がり車線を変えて意地でも前に行こうとする奴らの多いこと多いこと。

走っていて、写真を撮りたいことが沢山あった。
でもバイクだし、ガンガン飛ばす案内人とはぐれたら大変だし、信号少ないから滅多に止まる事も無いし...。
だからこうやって止まるたびにポケットからカメラを取り出して必死に撮影していたのだが、
沢山の面白い光景を写真に残せなかったのがすごく残念だ。
2人乗り3人乗りは非常に多い。 女性の横乗りもよく見る。
4人乗りもたまに見かけて驚いていたが、さすがに5人乗りを見たときには感動した。
あ~5人乗りの写真が撮りたかった...。
自分らも高校生の頃チャリンコの3人乗りとかスクーターでも3人乗りをした事があったが、彼らはふざけてではない。
真顔で5人乗りだ! 素晴らしい!
こちらはピックアップトラックが多い。商業用車両として税金面で優遇されているらしい。
そして、荷台に人を乗せてる光景も良く見る。
前向き、後ろ向き、輪になって、全員立ち乗りでギュウギュウ詰め等 乗り方は様々。
数名の若者が乗り込み、そのうち一人がギターを弾いてるなんていうのも見た。
ばあちゃん、母さん、子供達、家族3代がみんなして荷台に乗っている光景は味があってよかった。

それにしてもバイクの3~4人乗りだったり、荷台に大勢だったり、何故そんなにみんなで移動する用事があるのかも不思議だった。
日本はみんな大きな車に1人で乗ってるが...
オレンジのベストを着ている人たちがあちらこちらにたむろしているのが不思議だったが、 どうやら彼らはバイクタクシーらしい。
前かごにヘルメットを入れておき、客にヘルメットを被せて自分はノーヘルで走る。

ちなみにタイの法律では、ノーヘルはダメ、3人乗りもダメ、荷台に乗るのもダメ。速度制限もあるし、ハミ禁もある。
でもみんな平気でやってるし、それでキップを切られる事はまず無いという。
法律うんぬんでは無く、自分の身は自分で守りなさいという事だ。合理的で自然な考え方だ。
ドンワイン寺院。

仏陀の骨が祭られているという。 その骨の一部が一般人が見れる所に展示されていた。
展示以外の残りの骨が祭られている本殿には僧侶すら入ることは出来ないという。

仏教の教えは日々良い行いをして「徳」を積んでいくと 輪廻で生まれ変わったときに更に良い暮らしができるというもの。
そして 嘘はつかない、アルコールは飲まない、生き物を殺さない。
ただし、虫を手で殺すのは良くないが殺虫剤はOKらしい...不思議だ...
今日は休日のせいか訪問客は結構多い。
休みの日に遊びに行くのではなく、こういう所に来て拝むというのも よほど信心深い人が多いということなのだろう。
自分も靴を脱ぎ、プックさんと一緒に手を合わせた。
線香を立て、名前の分からない植物を祭って、金箔を3枚を仏像に貼り付けた。
これが何を意味するのかは分からないが...
市外に出ると信号は全く無い。130kmでビュンビュン走る。ハミ禁も関係なし。
見通しの効かないコーナーでもとりあえず追い越しをかける。 対向車が来たらちょっとセンターによって、それでも対向車線を走り続ける。
「えっ?ココでも行くの?マジで?」ってメットの中で何度つぶやいた事か...。これもタイ式の走り方。

昼食。 焼きうどんのようなものと、ライスと、トムヤムクンに近いスープと。
タイの味付けは極端で、基本は超カラい。 辛くないものは甘い。 もしくはすっぱい。
肉系のものは大体どれも臭い。 どの食事にも必ずホルモンのようなにおいがする肉メニューが入っている。
ライスは過去に日本でも有名になった いわゆるタイ米だ。 細くてパサパサしててちょっと臭い。でも焼き飯系のメニューはおいしかった。
あと、緑の野菜が多く使われるスープメニューは、トムヤムクン以外は どれもおいしかった。
ガソリンスタンドに地元のバイク乗り達がいた。近づいていって声をかけてみた。
タイの人は軽く英語が出来る人が多いようだ。タイっぽい発音の英語と日本っぽい英語の対決だから難しいが、
バイク乗り同士がバイクの話題で盛り上がるのに言葉の壁は関係なかった。 通じ合えるものなのだ。

リーダー格っぽい人のバイクはXJR1200のエンジンを積んだFJ。スクリーンも含めてド派手にペイントされている。
他にはスズキの空冷マシンをネイキッドにしてフレアパターンにしてるもの、
(本人はカタナと言っていたが日本でのいわゆるカタナではなく、おそらくGSX750Eあたりと思われる。
海外ではカワサキの「Ninja」と同じように 「Katana」と呼ばれるバイクは沢山ある。)
バリバリニューモデルのYZF-R1、VFRの顔をしたCBR400RRもいた。
そんな中で自分が一番気に入ったのはコレ。
フレームとスイングアーム形状から89年型と特定できるGSX-R400をベースにしたストリートファイター。
フロントのビキニカウルはおそらくタイスズキの150ccバイクのものを流用。
バーハンドル化してマフラーはヨシムラのカチ上げ、テールカウルはなんとVFR800のものだ。

200ccを越えるバイクは非常に少ないから、彼らはタイの中では少数派の贅沢なお遊びをしている層なのだろう。
彼らもやはり顔の前で手を合わせて別れの挨拶をしていった。 YZF-R1の人は「サヨナァラ~」と言って走り去った。
サンカブリ寺院。
この寺院は元々別の場所にあったのだが、ダムによって水没したため新たに建造された。
ここにも数々の仏像があったが ここはミャンマーに近いため、仏像もタイ風、ミャンマー風が混在していた。
(ちなみに左がタイ風、右がミャンマー風。こんな感じです)
タイ人にも色んな血筋があって、純粋なタイ人、ミャンマー系、中国系など。
ミャンマーの血が入っている人はミャンマー風の仏像を拝むのだそうです。でも信心の気持は共通。
今日のホテルはココ。湖沿いのおしゃれはリゾートホテルだ。
部屋も綺麗だし、大きな窓から湖が見える。
良すぎだな。
自分は別に綺麗でおしゃれなホテルでリッチな気分を味わうためにタイに来たのではない。
近くで遊んでいた子供達。
英語は全く通じなかったが、カメラを見せるとニコニコしながらポーズをとってくれた。

タイには子供達が沢山いる。そして犬もビックリするくらい沢山いる。
露店には販売員+犬。 食堂の中にも犬。 道端にもあちこちに犬が寝ている。
日本みたいにコーギーだとかミニチュアダックスだとかそういう類は一切いなくて どれも雑種なのだが みんなメチャメチャかわいい。
今日の晩御飯はこの露店で食べる。 プックさんいわく、ここは安くておいしいのだそうだ。
食事は...結構おいしかった。 中に一つだけ、殺人的に辛い料理があった。 固まって言葉を失った...
サンカブリはここが一番の繁華街。 それだけここは小さな村なのだ。
自分はこの村がとても気に入った。
本日の走行距離488km。
ビックリが沢山ある。 特別何がというわけではなく、見るもの全て、タイ人の日常の全てが自分にとっては驚きに溢れている。
自分が一番見たいのはタイの日常だと気付いた。 寺院とかはもういいや。
明日は日常を沢山撮影しよう。 人間の写真を撮ろう。 そして人々と接してみよう。

3日目

朝4時に目が覚めた。 6:30にモーニングコールをお願いしておいたのだが、何も無かった。
朝食はバイキング。 そろそろ臭いに飽きてきたのか あまり色々と食べる気にはならなかった。 でも一風変わったトーストとマーガリンが意外にもおいしかった。
今日はミャンマーに行く。他にも盛り沢山の日だ。
タイとミャンマーの国境に来た。

手続きをしてミャンマーに入国。
とは言っても ここパヤトンスーは都市に行くまで道の悪いところを車で2日間かかるという辺境の村だ。
バイクタクシーに乗った。 楽しい~。
後ろに乗っている事をコレ幸いに、デジカメ片手にスナップを取りまくった。

面白い。 人々の日常がすごく面白い。

タクシーで走る事15分。小高い丘の上にあるパヤトンスー寺院に着いた。
ここには満月の夜になると多くの人たちが集うらしい。
パヤトンスー寺院からすぐに見えるところにある、若い僧侶のための学校に行ってみた。
道の脇には何十~何百体という僧侶の像が並んでいる。
最後の方になると、色がついてないのやら、更に行くと首が無いのやらがあった。
製作中ということなんだろうが、早く完成させて欲しい。 不気味だから。
2階建ての寺院の中には100本の柱があるという。
中に入ってみると...
ややっ!ナンだあの奥で光り輝く物体は...?
仏像だ...
パチンコ屋と見まごうばかりのネオンがビカビカと点滅している。
ありがたや...ありがたや...
仏像を電飾っていうのはアリなんだぁ...知らなかった...
奥に偉い人らしい僧侶がいた。
プックさんとタクシー運転手2人と4人で一緒にお布施を渡すと、なにやらハリセンのような道具で水をバサッバサッとかけられた。
そしてコインと数珠を一人一人に放り投げた。 みんなうまくキャッチしていたが、
自分に投げられたコインは届かず、床に転がった。
するとそれを一旦僧侶に返して、また投げてよこした。 今度は上手くキャッチした。 ちゃんと空中で受け取らないとダメなものらしい。
数珠はちょっと気に入って、その後日本に帰って東京モーターショウの会場でもつけていた。
市場に行ってみた。
タイでも露店は非常に多かったが、ここミャンマーのはずれでは更に雰囲気は昔にさかのぼる。
穀物、野菜から、足ふみミシンを置いた裁縫屋さんまであった。
面白い面白い、そう、俺はこういう所を見たかったんだ。
ここはお土産屋さん街。
ある木細工の店がとてもよくて、色々買ってしまった。
ミャンマー人らしくない色白の清楚で綺麗な女性も雰囲気がとてもよかった。
記念に一緒に写真を取らせてもらった。
本当は中央に入りたかったんだけどなぁ。 ねぇおばあちゃん...
あるお土産屋さんでこんな小さな子供が売り子をやっていた。
プックさんが何度断ってもどこまでもついてきた。
最終的にはプックさんが根負けして一つ買っていた。
すごいな。 タイでもミャンマーでも子供が働いている。
タイではスタンドでガソリンを入れてくれるのも十代前半の子供だったし、足マッサージをしてくれたのも14歳の女の子だ。

ちなみにこの子は顔に白いものを塗っているが、これはハーブ。
老若男女問わず、ミャンマーでは顔にハーブを塗っている人が多い。お肌に良いらしい。
タクシー料金は一人100バーツ(約290円)だった。 安っ!
片道15分の道を往復し、途中僧侶の学校に寄り、市場でも結構時間をかけて見てたからその間も待っててもらい、
多分拘束時間は1時間半以上。 それでたったの100バーツ!

ミャンマーを出てタイに戻り、再びFZに乗る。
ミャンマーは本当に良かった。 すごく興味深く、面白かった。
途中牛の大群に出会った。
一旦ホテルに戻って、ホテル裏のダム湖に木製のモーターボートで出かけた。
この写真はホテル裏にある水上ホテル。 2階が寝室になっていて、1階には壁が無い。
プックさんいわく、若者の団体がみんなで比較的安いこういう場所に泊まり、
ある者はギターを弾いて歌い、ある者はこの建物から直で湖に飛び込み泳ぐ、っていう休日を過ごすらしい。
これが昨日見たサンカブリ寺院の昔の姿。 ダム湖に沈んで今は先端しか見ることが出来ない。
この辺りで水深は約20m。
湖のほとりに無数の家がある。 ここは先述の水上ホテルではなく、
一般住宅。 彼らは水の上に住んでいるのだ。

ボートを降りて、いよいよ出発。 気に入ったサンカブリを離れるのはちょっと寂しい。
そしてココからは帰路だ。
ゾウ園に行った。子象がなかなかかわいらしくて、お金を渡すと鼻でつかんで売店に行き、牛乳を1本持ってくる。
その牛乳はくれるわけではなく、彼が飲む。

大きなゾウにも乗ったが、それはまぁ別に。
動き出した瞬間と湖に入っていったときはオオッと思ったが、単調だからスグに飽きた。
「戦場にかける橋」で有名な橋。 さすがにここは観光地という事で人が非常に多い。
大勢の人が渡っている。
この橋、線路部分以外は隙間だらけで、簡単に下の川に落ちる事が出来る。 人とすれ違うときが結構コワい。
日本じゃ考えられない事だ。 日本ならスグに柵が設けられてしまう。 安全と引き換えに風情が無くなるわけだ。
そんなの落ちるヤツが悪いんじゃん、っていうタイ式の考え方に賛成。

と、そんな事を考えていたら、プックさんから信じられない言葉が!
ここは午後3時までは普通に電車が通るのだと...しかも午後3時以降一般開放というわけではなく、いつでも歩けるのだと。

え~!この線路使われてるの!? ますます日本じゃあり得ない! 使用されている線路を一般歩行者に開放するなんて!
で、歩いてる時に電車が近づいてきたら、10m位置きにある退避スペースに避けるのだが、間に合わなかったら川に飛び込むんだって。
笑っちゃう話だ。 まぁ怖いけど、川まで10m位か...怪我するほどの高さじゃないな。 泳げない人はどうすんだろ。
橋の広場で遊ぶ子供達。
タイの子供達は仕事もするけど、体を使ってよく遊ぶ。
晩御飯。
タイにはオープンエアのレストランがとても多い。眺めが良かったり、湖や川のほとりだったりするんだけど、
ここはオープンで川が見えるってだけじゃ無く、正真正銘の水上レストラン。
だからモーターボートが通ると、店全体がグワングワンと激しく上下する。
今日のホテルはFELIX RIVER KWAI HOTEL
日に日にホテルがグレードアップしていく。
ここは規模といい、庭の綺麗さといい、プール付だったり、スタッフが全員英語が出来たり、と まさに一級のホテルだ。
泊まっている客も白人がやけに多い。
日本人っぽい顔を見るとドキッとする。 口から韓国語なんかが出てくるとホッとする。
海外に来たら日本人には会いたくない。日本語は聞きたくも話したくも無い。
綺麗な部屋と綺麗なベッド。
そしてトイレにはこんな奇妙な人形までも置いてあるという至れり尽くせりの設備なのである。
走行距離315km
結構疲れていたらしく、ホテルを抜け出す事も無く、プールで泳ぐ事も無く、早い時間に寝てしまった。
夜中にものすごい雨の音で目が覚めた。 中庭に通じるドアを開けてビックリ、スコールのような雨が降ってる。
これが話に聞いた 短い時間に一気に来るタイの雨の降り方か。

4日目

最終日だ。今日はバンコクに帰るだけ。しかも昼にはバンコクに着いてしまう。つまんないな。
移動式店舗。傘を立てたまま走っている光景も決して珍しくは無い。
バンコク市内に突入し、途中警察に捕まった。
どうやら二輪通行禁止のバイパスに入ってしまったらしい。
プックさんが警察官に100バーツ(約290円)を手渡し、許してもらった。 タイではこういうことも当たり前らしい。
「気をつけなさいよ」 「ごめんなさい...謝罪の気持を込めてハイ小銭...」 いいじゃない。正しいよ。
全く危険行為をしてないのに警察が自らの儲けのために多額の金を巻き上げる日本より遥かに健全だと思った。
「俺達ゃ警察 国家をあげた合法的なカツアゲ集団イェーイ」がいないタイは
安心して道路を走れる環境なんだなぁと とっても羨ましくなった。

途中に遭遇した工事現場は泥の海だった。 バイクは泥まみれ。 日本じゃ苦情の嵐だろうな。
バンコク市内の歩道食堂。 なかなかおいしかった。
何より目の前に車が行きかう歩道で食事というのが面白かった。
レッドバロンバンコク到着。
プックさんに、「バンコク市内に帰ったら街に買い物に出かけて そこで綺麗な女性を見つけて結婚しなさい」と言われていたのだが、
早くもレッドバロンの店員に綺麗な人がいたので とりあえず一緒に写真をとってもらった。 あんまり意味は無いけど。
名前聞きそびれた。
本日の走行約200km
左はレッドバロンバンコク勤務13年で 現地で結婚もした中原さん。
中原さん、そしてプックさん、大変お世話になりました!
アジアの魅力にハマッてしまった。 「こんなスゴイものを見た」というのではなく、日常そのものが驚きに満ちていること。

全てお膳立てがされているこのツアー企画は 海外経験自体が浅い自分の海外ツーリング入門偏としては最適だったと思う。
なにしろこういうのがある事を知らなければ、海外をバイクで走るなんていうこと自体が、自分にとっては夢話だったのだから。

ただ、元々セローでのんびり走って、気まぐれにちょくちょく止まって写真を撮るっていうツーリングスタイルを取ってきた自分にとって、
ハッと思ったところで自由に止まれないのがとても残念に思った。
やはり旅は一人に限ると再認識した。

この次は是非、単独海外ツーリングを実現したい

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