94年 写真を撮るための旅

今まではコンパクトカメラが最高だと思っていた。
微妙な構図や露出などではなく、シャッターチャンスが全てだと思っていたから。
自然だって秒単位で変化していく。ならばイイなと思ったときに素早くシャッターを押せることが大事だと思っていたから。
でも、昨年のツーリングで素晴らしい風景をたくさん見過ぎた。
いよいよコンパクトカメラの限界を感じ、今年は一眼レフを導入した。
気軽なシャッターのためにコンパクトカメラも持ってのカメラ2台体制だ。
「網走湖の朝」、「神の子池」、「野付湾のオレンジ色の海」の3つを撮影するために、いざ出発。

1日目~2日目

まずは女満別湖畔キャンプ場を目指す。
網走湖の朝焼けと不思議な鳥がつくる幻想的な風景に会いたくて、昨年と同じ場所にテントを張った。

3日目

第一の課題 「網走湖の朝」

まだ暗いうちから起きてカメラを構えてその時を待った。
空がほんのり明るくなり始めた頃、遠くから「ギャーギャー」という鳴き声。
来たっ...
昨年と同じ。美しい朝焼けの中、奇妙な鳴き声の鳥が一羽だけ。湖面スレスレを飛ぶ。

こんな目立たないマイナーなキャンプ場で、 こんなにも幻想的な風景が見られることを一体どれだけの人が知ってるんだろう。
あの鳥はなんて言う名前なのかな。

5日目

第二の課題 神の子池

ここもずいぶん有名になってしまったけど、 観光地化されないでほしい場所。
来る人間が増えると必ずごみも増える。

きれいな風景を見にきた人間がその場を汚して帰るっていうのはまったく理解できない。
裏摩周。

去年は快晴、今年は曇り。
晴れでも曇りでもため息が出るほど美しい表情を見せてくれる。

吸い込まれてしまいそう。北海道で一番好きな場所。
展望台にいたもの同士で声を掛け合って湖畔に下りてみた。 本当は立ち入り禁止なんだけど。
険しい崖を降りていく。一人だったら絶対にあきらめていた。
遠くから見て綺麗な摩周湖は間近で見てもやっぱり綺麗だった。
霧多布
ダイナミックな風景!
霧多布湿原

大きく蛇行する川が如何にも湿原だなぁって感じでいい。
第三の課題 「野付湾」は、以前に見た事があるような青とオレンジのコントラストは見られなかった。条件が揃わなかったみたい。

野付半島の付け根にある尾岱沼青少年旅行村に泊まる。 管理棟でカニの差し入れ。

その後ライダー、チャリダー、徒歩ダーを交えて6人で飲み会になった。
みんな酒が入るにつれて声がでかくなってきた。
キャンプ場で大騒ぎしてる連中に悩まされてきた自分だが、場の雰囲気を壊すのが怖くて、「もうちょっと静かにしよう」の一言が言えず、
結局他のキャンパーに怒られてお開きという後味の悪い結果になった。
周りに迷惑をかけたこと、自分が「キャンプ場で大騒ぎするバカども」の一人になってしまったことがなさけなかった。

6日目

野付湾の朝焼け

前日の夕日の野付湾はハズレに終わったけど、代わりにものすごくきれいな朝焼けが見れた。
別海町の町道で

こういう思わぬ風景に出会えるからマイナー道はやめられないんです。
セルフタイマーで撮りました。
1回目、着地した瞬間にカシャ。 2回目、成功。

7日目

然別湖の朝
こんな風景に出会えるのもやっぱり朝。
キャンプをしにきて夜遅くまで語るのもいいけど、寝坊は絶対もったいない。無理してでも早起きしてほしい。
自然の一番イイ表情が見れるのは朝なんだから。
個人的にはキャンプ場は近くに水のある場所がイイと思う。

ぬかびら湖に立ち寄ってびっくりした。この場所を知っている。小学生の頃、家族みんなで旅行した時に一度来ている。
「ここだ、写真を撮った場所はここだ。この看板も覚えている…」記憶がよみがえると同時に妙な寂しい気分になってきた。
昔、親に連れて行ってもらった場所に今は一人で来れるようになった。それどころかどこにでも一人で行けてしまう…。時間は経ってるんだ。
子供がだんだん親離れしていくときに親が感じる寂しさを、子供である自分が体験してしまった、そんな感覚だった。

↑ PAGE TOP