96年 8耐でSUZUKIの優勝を見るために鈴鹿へ

試乗会で乗った新しいGSX-R750は素晴らしかった。
こんな素晴らしい出来なら、最近レースでは不調のスズキも今年はきっとぶちかましてくれる。
レース好きとして、一度は生のレースを観たい…特に鈴鹿8時間耐久は一度は観ておきたいと常々思っていた。
今年こそチャンスだ!

3~5日目

小樽-舞鶴のフェリーに乗り、まっすぐ鈴鹿を目指す。 金曜の午後に鈴鹿到着。

予選1日目は別に観なくてもいいや、鈴鹿市内観光でもするか……
いや、まぁひとまずサーキットの場所の確認だけしておくか…
そう思って、遊園地を抜けてサーキットの方へ歩く。

サーキットに近づくにつれて遠くから爆音が聞こえてくる。鳥肌が立った。思わず歩く速度が速くなる。
サーキットに入ると、爆音とともにものすごいスピードでバイクが駆け抜けていく。スゴイ…スゴすぎる…。
市内観光なんて行ってられない。 夢中でガシャガシャと写真を撮りまくった。

予選はつまらないかと思いきや、短時間でベストセッティング探るという緊迫した雰囲気が伝わってきて、
かなり楽しめた。
前夜祭も面白かった。
ウルトラマンファミリーがウルトラマンのテーマをロック調でライブ演奏したのには笑った。

前夜祭終了後も8耐の名物コンビ千石さんと高原さんはあちこちでゲリラライブをやっていた。
「一番遠くから来た人誰?」の問いかけに「札幌ー!」と叫んだらえらく感心され、Tシャツをもらった。

みんなが盛り上がってる時間も、ピットでは整備やタイヤ交換の練習などが続いていた。
みんな上半身裸だったり、海水浴場のような雰囲気。自分は短パンも持ってない。
ジャージをハサミで切って短パンにする。 「よーしこれで俺もお祭り気分の仲間入りだ」。
しかし…周りのみんなとは何か違う…。
地元では脚を出す機会が少ないから、自分だけ妙に白いのだ。はずかしー。

ピットウォーク。 決勝日の朝に最終セッティングをするピットの前を歩ける。
札幌でチケットを取ったときに、チケット売り場のおばちゃんに「後ろの席から埋まって行ってますね」と言われたのだが、コンサートでもなんでも前のほうがイイに決まっていると思い、ホームストレートの1コーナー寄りの、前から5列目を取った。

しかし現地で自分の席についてみて納得。
前のほうは金網越しに見ることになる。後ろのほうが高くなってるから金網の上から見下ろせるのだ。
それともうひとつ。ホームストレートの1コーナー寄りといえば、280km/hくらい出ているところ。
近くから見ると速すぎて誰が通ったのか分からないのだ。 「そうか、そういうことだったのか...」
3日とも快晴。 とにかく猛烈に暑い。 一日に缶ジュースを15~20本くらい飲むが、全て汗になる。
真っ白だった脚は真っ赤になった。あちこちの日陰に人が倒れてる。

決勝。
S字、逆バンク、立体交差、ヘアピン、スプーン、130R、シケイン…歩いていろんな場所から観戦。
コースは広いから全観戦場所を制覇すると、ほとんど遠足だ。

夕方になり、歩きすぎて疲れてしまったので自分の席に戻って座るのだが、ヤケドのようになってる脚に陽がジリジリ照って痛い。
歩いていると少しでも冷却されるらしく、あんまり気にならなかったが、止まると我慢できないくらい痛い。
仕方なく席を立ってまた歩く。こりゃ観るほうも耐久だ。
終了間近、明らかにトラブルを抱えてる、音がおかしくスピードも遅いマシンが一台。
祈るような気持ちで走ってるんだろうなぁ。頑張れ頑張れ…

優勝はヤマハ。
スズキは惨敗だったが、勝敗関係なく全てのライダーに拍手を送った。感動を、素晴らしいレースをありがとう。
表彰式も終わり、今は静かになったホームストレートを少し歩き、アスファルトを触り、脇の芝生に座って思いをはせる。

夢のような素晴らしい3日間だった。
一度観れば満足すると思っていた8耐。 また来たくなっちゃったなぁ。

6日目

鈴鹿での夢の3日間を終え、軽くボーっとしながら走る。

紀伊半島にもやっぱりありました。林道のような国道。

ガードレールに国道を示す標識が貼られているのが分かります?
これは露天風呂ではありません。 川です。川。

素っ裸で泳ぐ。 もうメチャクチャ気持ちよかった。

7日目

快晴。空が綺麗。それだけでもう何もいらない。
不動七重滝

車がすれ違えないような狭いダートを走る。 ガードレールも無いから、落ちたら死ぬっていうような道。
だから車がほとんど入ってこない。

人が滅多に来ないような場所で素晴らしい風景を見つけるとすごく得した気分になる。

8日目

西日本は川が緑色。綺麗だなぁ。

特に北山村を流れる川は感動的だった。川底からライトアップされてるかのように所々輝いているのだ。

こんな綺麗な川は見たことがない。
R169は高速並みに飛ばせる道、気持ちのいいワインディング、舗装林道、渓谷を眺める道、と多彩なルート。

奥瀞道路。ここは昨日開通したばかりだったらしい。ラッキー。

9日目~10日目

橋杭岩

モアイ像のように立ち並ぶ巨石群。 岩の向こうは海です。
走ってるうちに、時間の進行と移動距離が全くシンクロしていないことに気づいた。
このままじゃ23:30発のフェリーに絶対間に合わない!

高速に乗って飛ばすが、それでも時間的にかなりヤバくなってきた。
最高速120km/hのセロー君で100km/h以上の高速連続走行。 ピットインは最小限。
疲れた体で暗く単調な高速道路を走り続けるが、眠くならないばかりか、目はギンギン、頭はイケイケで走り続けるのがメチャクチャ楽しい。
こういうのをライディング・ハイというのだろうか?

舞鶴到着。間に合った。ガッツポーズが出た。最高にイイ気分だ。まるで8耐を完走したかのようだ。

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