1100 SPORT ”ROSSO” CORSA

99年型 1100スポルトの全世界300台限定のファイナルエディション

GUZZIにハマっていった経緯

MGS-01という存在

購入の経緯 と 第一印象
カッコイイですねぇ。この低い長いデザインにやられたワケです。
スタンドが随分前に付いてるから、前方にキックするように出し入れする。
エンジンのゴツイ外観は大好き。これほど無骨なエンジンも他に無い。
オイルクーラーも変な所についててイイ。
丸い穴から空気を吸ってるけど、加圧して無いからラムエアじゃない。
前後サスペンションはWP製。ちょい細めの倒立フォーク。
メーターは唯一嫌いな所。
メーター自体はクラシカルでいいんだけど、そっけないスポンジに真横に埋め込まれて、
インジケーターも工夫無く並べられるつまらないデザイン。
   テルミニョーニのマフラーは、限定CORSAの標準装備。
当然音は静かめ。
タンクが細くて長い。
この長さのせいでハンドルがとても遠い。

先細りのおかげでハンドルを切っても手が挟まれる事は無い。
この黒い塗り分けが限定車のしるし。
ステップはフレームに直付け。
チェンジペダルは回転軸が離れてて、ストロークがやたら長いから慣れが必要。
ギヤ抜けしやすい。
テールカウルの平べったさが異様。

バッテリー移設

テールカウルは結構ボリューム感があるから、小物がいっぱい入りそうに見えるけど、
いざ開けてみると、ご覧のようにバッテリーがデデーンと鎮座ましましております。
こんな重いものを重心から離れた高い位置に置くのもどうなんでしょう。
でも初期型は ここにバッテリーが2個入っていたというから驚き。

やっぱりこのバッテリーが無ければ色々と物が入ってイイだろうなぁと思ってしまうわけです。
そこで、GUZZIで行われる事の多い、「バッテリー移設」なるカスタムを決行することにしました。
「購入の経緯」の所でも登場したK氏、のバッテリー移設キットを見せてもらい、寸法を測って図面を作り、
知り合いの製作所に作ってもらう事にしました。 市販キットはとても高いので…。
できあがってきたバッテリーケースがコレ。
巨大なエアクリーナーボックスを撤去して、タンク下にバッテリーを置くためのもの。
普段は見えない部品なので雑でも良かったんですが、随分キレイに作ってくれました。
ステンレス製なので、意外と重いです。
巨大なエアクリーナーボックス。 これを撤去して、ここにバッテリーが引っ越すわけです。
バッテリーはノーマルより小さいものを新品で購入。 移設完了。
これでリヤシート下が空いた。 
底板はしっかりしてるけど、周りはスカスカ。
隙間から物が落ちていきそうなので、ダンボールプレートで囲いを作った。
これが Before~After。
下の写真の中央上に銀色のバーのようなものが見えますが、その上にバッテリーが載っています。
エアクリーナーボックスがサイドカバーのような役割をしていたから、
それが無くなった事で、スカスカになり、サスペンションが丸見えになった。

キャブレターと違ってインジェクションは個人でセッティングが出来ない。
吸気が変わることで扱いづらくなる事を覚悟してたんだけど、全く問題なかった。
むしろ走りは滑らかになった気がする。
バッテリーっていう重量物が車体の中央に近づいた事でほんの僅か軽快になった気もする。

ローシート

このバイクはとても足つきが悪い。高さよりも幅が広い事が問題。
で、GSJではスポンジだけじゃなく、ベースプレートから作り直したローシートを出している。
比べるとその薄っぺらさ、幅の狭さが良く分かります。

限定車のコルサはシート表皮が標準と違うので、コルサ用に表皮を特注して作ってもらいました。
¥30.450。
Before~After。

正直言うと、もっと劇的な変化を期待していたのだけど、まぁそれでも随分安心感は増しました。

それでもまだシート幅の広さは感じる。
あと、着座位置が変わったため、今まで以上に膝がエンジンに当たりやすくなったのが気になる。

前後フェンダー

このバイクには、元々インナーリヤフェンダーは付いてません。
エアクリーナーボックスを撤去したことによって、リヤサスペンションに泥水がかかりやすくなったから、
カーボンフェンダーを付けました。
GSJ製 ¥32.550
コルサのフロントフェンダーは元々黒なのでそのままでも良かったんだけど、
目立たないリヤがカーボンで、目立つフロントがFRPっていうのも妙なので、こちらも交換。
GSJ製 ¥30.450
純正の分厚いFRPと比べるとカーボンはやっぱり全然軽い。

タペット調整

GUZZIは「気軽にヘッドカバーを開けてください」と言わんばかりに、エンジンが斜め上に飛び出してるし、
シンプルなOHVだから、タペット調整の簡単さは有名。
これがネイキッド系だったら本当にチョチョイっと出来てしまうのだけど、
1100SPORTの場合はフロントカウルを外すという面倒な作業があるのが残念。

これがヘッドカバーを開けたところ。
これはタペット調整とは関係ないけど、
念のためロッカーアームを外して見てみた。 特に磨耗は無し。
これもタペット調整するのに外す必要はない部分。
プッシュロッド。ハーレーの場合は目立つ場所に2本のプッシュロッドカバーが見えるけど、
GUZZIの場合は普段は見えない所にある。
この棒がロッカーアームを押してバルブを駆動する。
なんとも原始的な仕組み。
ギヤを入れてRタイヤを回して圧縮上死点を出してから、
シックネスゲージ(右手に持ってる薄っぺらい板)でロッカーアームとバルブとの隙間を見ながら
スクリューを調整する。

話では知っていたけど、想像以上に恐ろしく簡単だった。
これでカウル外しの作業が無ければ毎月でもやりたくなる程。

Fマスターシリンダー交換

ある日突然ブレーキがおかしくなった。
握った瞬間はグッと効くけど、その後どんどんレバーが入り込んできて、ついにはハンドルまで当たる。
その後は当然ノーブレーキ状態。 一度離してもう一度握るとグッと効いてまたスーッとハンドルまで。
どこからも液漏れはしてない。そもそも液漏れなら、最初のグッていうのもなく、完全にスカスカブレーキになるはず。
エアかみも考えられない。 エアなら常にグニャグニャするはず。 やっぱり最初のグッは無いはず…。
なんだ?この謎の現象。

マスターシリンダーを交換することにした。
以前からブレンボのラジアルポンプを余していたので、ここぞとばかりに引っ張り出してきた。

ちなみに写真は、マグネットのパーツ皿をタンクの上に置くの図です。
マグネット皿はボルト等の紛失防止に良いのですが、裏底もマグネットなのでタンクにもくっついてくれる。
タンクの上に物を置くのは感心されないでしょうが、ここに物を置けると便利なんですよね~。
ラジアルポンプ仮装着の図。
ラジアルポンプは前への出っ張りが大きいので、カウル付セパハン車の場合何かと問題が発生する。
この車両の場合、ハンドルを左に切るとメーターにガッツリ当たる事が分かった。
でもUターンは右に切るし、走りながら左にめいっぱい切る事はまずないので、まぁいいでしょう。

ホースの取出口がノーマルと全く違う為、アクセルワイヤーが干渉することが分かった。
そのためアクセルワイヤーボックスをグルリンと上に持ってきた。
で、そうなると今度はアクセルワイヤーがキルスイッチに当たるので、
右スイッチボックスも回り止めのボッチを削り取って45度回転。
これだとセルが押しづらいですが、まぁ走りながら押すボタンじゃないし、いいでしょう。

と、ここまでやっておきながら… やっぱメーターにガッツリ当たるのはヤだなぁ…と思いなおし、
新しいマスターを買う事にした。
ブレーキ大好き人間の私は、以前からノーマルのブレーキに不満があったので、
本当にラジアルポンプをつけたかったのです。
このまま普通の横置きマスターをつけるのはイヤだなぁ…ということで…YZF-R1のセミラジルを検討。
セミラジアルはポンプがまっすぐ前に伸びるのではなく、斜め外側に向かうので、
メーターにはちょっと当たるだけで済みそう…。
でもYZF-R1用は、ピストン比が合わないのでボツ。
次にDucati999純正のタンク一体型セミラジアルを検討。ピストン比は多分大丈夫。
現物が無いので、ネットで写真とにらめっこし、イケると判断。 思い切って注文。

商品が届き、まずは仮組み…と思ったら… 仮装着すらできない!
ポンプがメーターに当たるかどうかばかり心配していたが、
一体型のタンクがトップブリッジに当たって、固定すらできない。あぁ~…
で、このセミラジアルもお蔵入り…トホホ…。
結局別のマスターをまたまた購入した。 ニッシンのセミラジアル。

これは一応 『セミラジアル』 という商品名が付いているけど、ポンプは横を向いている。
ラジアルポンプはレバーを引く力を、方向を変えずにそのままポンプに伝える事が最大のメリットなんだけど、
コイツはレバーの力を完全に横方向に変換しているので、セミどころか、ラジアルのラの字もない。
レバー比を工夫して、握り心地をラジアルに近づけた…というだけ。
よくこれを『セミラジアル』などと名乗ったな…という、完全なる横置きマスター。

ならば何故普通の横置きを買わずに3千円程高いこちらを買ったのか…
ラジアルが2種とも付けられなかった悔しさが大きく、ありきたりのものを付けたくなかったという悪あがきです。
カウル車の場合、リザーバータンクの位置も問題になる。
とりあえず取り付ける場所は無いので、ハンドルを固定しているボルトと、
テキトーにあったステーを利用してつけてみると、
メーターが見えなくなる。

そこで、タンクを内側に追い込む為に、一部を削りました。
つまりこういう事です。
トップブリッジのボルトの出っ張りの分だけ削って、その分内側に追い込んだわけです。
完成図。

リザーバータンクがトップブリッジのスキマにハマるくらい追い込まれてるのがストイックな感じでいいでしょ。

結局セミラジアル(という名の横置きマスター)にしたので、
アクセルワイヤーは元の位置(ハンドルの下)に戻しても良かったんだけど、
上を通したほうが取り回しに無理が無い事が分かったので、このままにしておいた。

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